使えるソーシングツールが続々と登場
2021ソースコン・デジタルの後編では、各セッションで共有された最新ツールのいくつかを紹介する。
ソーサーのためのツールAirtableとMeetup
ソースコン・デジタルで複数のスピーカーが使い勝手が良いソーシングツールとして紹介し、チャットでも話題になっていたのがAirtableである。これは、応募者のトラッキング、社員のオンボーディングなど複数のアプリケーションをまとめた総合ツールで、ソーサーが使いやすい仕様になっている。個人利用が無料なのも魅力的である。
一方、Meetupは、同時進行セッション「あなたのソーシングとネットワーキングをオートメーション化ツールで過給する」でスピーカーのDima Ponochovnyi氏が紹介したツールである。これは地域イベント、ラーニング機会、友人作りなどを目的とする利用が想定されているが、特に地元でのネットワーキングに最適なツールである。Ponochovnyi氏はMeetupで候補者の情報を収集した後、検索結果をSalesQLアプリを使ってスクレーピングし、その結果をCSVにエクスポートするという方法を実行しているという。この手法を使うことでMeetupで得た候補者情報を25%程度にまで絞り込むことができる。
アポイントメントツール Calendly
Calendlyを「使える」ツールだと話すのは基調スピーチ「不可能を実現させる:誰がこうなることを予想できただろうか?」のスピーカー Vanessa Raath氏だ。Calendlyを使えば、通常なら何度もメールなどでやりとりをしなければならないミーティングの設定を、即座に行うことができる。登録後14日間は無料で、その後の使用料は月8ドルからとなっている。2021年6月現在の月間利用者は800万人である。また、似たようなツールにsprintfulやvocusがある。
ジェンダーフリーな採用のためのツールGender Decoder
「公平性を維持することが可能な採用行動をデザインする」というタイトルのセッションで、スピーカーのMawulom Nenonene氏は、米国ではDEI(diversity、equity、inclusion)を意識した採用手続きを実行することが重要になりつつあると話し、役立つツールを紹介した。Gender Decoderはシンプルな仕様だが、非常に便利で、ジェンダーフリーな採用を実行するのには有効なツールである。
箱の中に、あらかじめ作成した求人広告やジョブ・ディスクリプションなどを、手入力あるいはコピーアンドペーストして、“Check this ad”をクリックすると、文章内にジェンダーバイアスのある言葉や表現が含まれているかどうかを表示してくれる。それらを取り除くことで、ジェンダーフリーなリクルーティングの実現に一歩近づくことができる。
ベテランソーサーが推奨するソーシングツール
基調スピーチ 「マスクの後ろに隠れているものを見るためのツール」 のスピーカーDean Da Costa氏は、35年以上リクルーティング分野で活動してきたベテランソーサーである。同氏は、自身のホームページで、スクレーピング用、検索用、LinkedIn関連など、数多くのツールとGoogle Chromeエクステンションを共有している。
Da Costa氏が推奨する検索ツールの1つであるPeople Search Nowは、ウェブサイト上に氏名と居住地を入力して検索するだけで、その人の住所や年齢、家族の氏名といった情報を入手することができる。また、電話番号から相手を検索することもできる。正確度はかなり高く、基本情報の収集なら無料で、プレミアム会員なら、裁判記録の閲覧も可能である。このように個人情報を簡単に入手できるウェブサイトが多数ある。
TEXT=Keiko Kayla Oka (客員研究員)