開成・灘卒業生にみる「社会リーダー」になるための条件

東西を代表する超進学校――「開成」と「灘」。そこへの入学を勝ち取ることはかなり大変なことだ。しかし、開成と灘に入学したからといって、必ずしも社会に出てから活躍するとは限らない。まして、「社会リーダー」になる者となると、卒業生のなかの一部というところだろう。

では、開成・灘卒業生のなかの誰が「社会リーダー」になっているのか。高い認知能力を持っているという要素のほかに、どのような経験を積むことが、「社会リーダー」として開花することに結びつくのか。 教育社会学者であり、学歴や教育の効用を追究し続けてきた濱中淳子氏が、開成と灘の卒業生たちに実施した質問紙調査の分析から、この問題に迫る。

 

<プロフィール> 濱中淳子 はまなか・じゅんこ
1974年生まれ,富山県出身
独立行政法人大学入試センター准教授。東京大学教育学部卒業,東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学,2007年東京大学にて博士(教育学)を取得。
主な業績に『大学院改革の社会学―工学系の教育機能を検証する』(東洋館出版社,2009年)、『検証・学歴の効用』(勁草書房,2013年,第37回労働関係図書優秀賞受賞)、『大衆化する大学―学生の多様化をどうみるか(シリーズ大学第2巻)』(編著,岩波書店,2013年)など。教育社会学専攻。
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「超」進学校 開成・灘の卒業生: その教育は仕事に活きるか
2014年研究プロジェクト「『社会リーダー』の創造」の成果が新書に。よくも悪くもイメージだけで語られがちだった超進学校卒業生。どんな職業に就き、どれくらいの年収を得ているか。中高の経験は仕事にどう活きるのか。アンケートデータから実像を描き、日本社会の実相にも迫る。