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Glassdoor調査・LGBTQ+の従業員の評価が高い企業はGoogle、Microsoft、H-E-B、ほか
海外HR Techニュースリリースまとめ（2022年7月）
Glassdoorの調査・LGBTQ+の従業員による評価が高い企業上位3社はGoogle 、Microsoft、H-E-Bであった。
Googleが、バングラデシュ、インドネシア、インドで運営していた求人検索アプリ「Kormo Jobs」の提供を終了した。
また、LinkedInがSaaS学習管理プラットフォームのEduBriteを買収、スペインのJobandtalentが英国の求人マッチングAIスタートアップのJumpを買収するなど、M＆Aのニュースも相次いだ。
【注目トピック】
従業員と社内公募やプロジェクトをAIでマッチングし、社内流動を活性化するタレントマーケットプレイスが人気
インターナルモビリティ（従業員の最適配置）を高めるタレントマーケットプレイスが注目されている。従業員のスキルや過去のポジション、キャリア目標などと、社内のプロジェクトや配属をAIでマッチングする。Gloat、Eightfold、Fuel50、Hitch、Oracle Cloud HCMなどがこのサービスを提供している。
Gloatは、従業員のマイページで、おすすめのプロジェクトやポジション、メンターを一覧で表示する。コーチングプラットフォームやオンライン学習サービスとシステム連携させ、コーチやオンライン講座を推奨する。また、目標とするポジションに就くためのキャリアパスの選択肢を複数提示する。Gloatの顧客基盤は1年間で2.5倍に増加し、Unilever、PepsiCo、Schneider Electric、Nestlé、Novartis、HSBCなどが利用している。
Eightfoldは、社内の顧客管理や人事システムのデータとともに、特許や出版物などの公開データを収集し、従業員のデータを1つに集約した「360度プロフィール」を構築する。Bayer、LG、Chevron、国連世界観光機関、米国防総省などが利用している。
従業員は、自分のスキルと社内のほかのポジションとの適合度合いがわからないため、自身の強みを生かせる機会を逃したり、離職の原因となっている。世界経済フォーラムの実証実験では、従業員がスキルを自己申告する際に認知可能なスキルは平均11個あるが、AIの分析では、平均34個の特定ができる。タレントマーケットプレイスを活用することで、新規事業などに必要なスキルをもつ従業員をすばやく特定でき、事業スピードの加速や、離職防止、採用コストの削減を図ることが可能となる。
【新サービス・新機能】
Indeed、ヒンディー語に対応
求人検索エンジンのIndeedは、ヒンディー語で求人情報の検索や応募、オンライン履歴書の作成ができる機能を、モバイルサイトとアプリに追加した。
今回のアップデートでは、求職者が雇用主に電話で求人について問い合わせる「雇用主への直接通話」、履歴書のオートフィル（自動入力）、チャットボットによるサポートといったインド特有の機能も追加した。
Indeedの調査によると、食品などの配達員、ドライバー、介護サービスに従事する労働者にとって最も大きな障壁は、「求人情報にアクセスできないこと」（62％）、「英語がわからないこと」（32％）であった。
Indeed India営業部長のSashi Kumar氏は、「インドの労働力は非常に若く、驚くべきスピードで成長し、変化している。Indeedのサイト訪問者数は2年間で2倍以上に増えた」と話す。Indeedは、今後も各地方の言語に対応した機能を追加する予定である。（7月19日The Economic Times）
https://hr.economictimes.indiatimes.com/news/workplace-4-0/recruitment/portal-indeed-says-job-aspirants-can-now-discover-opportunities-create-online-resumes-in-hindi/92969134
Google、Kormo Jobsの提供を終了
Googleは、ホスピタリティ、小売、倉庫管理、フードデリバリーのエントリーレベルの求人検索アプリ「Kormo Jobs」の提供を6月30日に終了した。公式サイトに、終了理由などの詳細は記載されていない。
Googleは2018年にバングラデシュ、2019年3月にインドネシア、2020年8月にインドで「Kormo Jobs」をリリースしていた。（7月15日The Daily Star）
https://www.thedailystar.net/tech-startup/news/google-shuts-down-kormo-its-job-hunting-app-bangladesh-3071076
【M&A】
Revelo、メキシコの技術者採用プラットフォームListoproを買収
南米の技術系リモートワーカーの採用オンラインプラットフォームのReveloは、メキシコの技術者採用プラットフォームのListoproを買収した。Reveloは、南米13カ国の技術者25万人のネットワークを有する。買収により、登録審査を通過した技術者をさらに5万人追加する。共同創設者のLachlan de Crespigny氏は、「ReveloとListoproの顧客は、今後より大きな人材プールにアクセスできるようになる」と説明する。
リモートワークの浸透によって、企業は世界中から優秀な人材を活用できるようになった。複数のタイムゾーンに分散するグローバルチームを構築し、メンバー同士の密なコラボレーションを促進するには、メンバーの勤務時間が重なる国や地域から人材を採用することが重要となる。
テック業界の不況にもかかわらず、開発者やソフトウエアエンジニアの需要は伸び続け、ReveloのAAR（年間経常収益）は、2022年の最初の5カ月間で約2倍に増加した。
Reveloは今年、メキシコのディベロッパー向けアップスキリングおよびメンターシッププラットフォームのCeroUnoや、ブラジルのソフトウエア開発者向けコンテンツネットワークのCTO Talksなど数社を買収している。（6月30日Revelo）
https://www.revelo.com/blog/revelo-acquires-listopro
Jobandtalent、Jumpを買収
スペインのデジタル派遣労働プラットフォームのJobandtalentは、英国の求人マッチングAIスタートアップJumpを買収する。買収金額は公表していない。共同創設者兼CEOのJuan Urdiales氏は、「今回の買収によって、求人マッチング技術のマーケットリーダーとしての地位をさらに強化する。ディープテックとAIソリューションを既存のプラットフォームに統合することで、市場で最高クラスのマッチング技術を提供する」と話した。
Jobandtalentは、倉庫や物流など短期の仕事の求人情報を掲載する。Ocado、Decathlon、Santanderなどが利用している。
Jobandtalentは、2021年12月にKinnevikやソフトバンクなどから5億ドルを資金調達した。今年は、米国の人材ソリューションプロバイダーBGSFとノルウェーの人材派遣会社Jobzoneを買収し、米国でのプレゼンスをさらに強化する狙いである。（6月21日Business Insider）
https://www.businessinsider.com/softbank-backed-jobandtalent-acquires-uk-counterpart-jump-2022-6
LinkedIn、SaaS学習管理プラットフォームのEduBriteを買収
LinkedInは、サーティフィケートの作成、ホスティング、発行に特化したプラットフォームのEduBriteを買収する契約を締結した。EduBriteの認証評価（サーティフィケートアセスメント）エンジンを、LinkedIn Learningのプラットフォームに統合することで、スキルの評価機能を強化する。求職者は、信頼性の高いクレデンシャルを取得し、自身のLinkedInプロフィール上でアピールできる。今回の買収は、採用や学習においてスキルファーストのアプローチを目指す同社のビジョンをさらに後押しする。（6月28日LinkedIn）
https://news.linkedin.com/2022/june/talent-solutions-news
Drama and Company、Superookieを買収
韓国の名刺共有アプリ「Remember」を運営するDrama and Companyは、新卒採用やインターンの募集に特化したプラットフォームのSuperookieを買収した。採用分野での競争力を強化する計画だという。Drama and Companyは昨年末、1600億ウォン（約1億2190万ドル）相当の投資を受け、事業成長のためにM&Aを積極的に推進すると発表した。（7月25日Korea JoongAng Daily）
https://koreajoongangdaily.joins.com/2022/07/25/business/industry/Korea-Drama--Company-Remember-app/20220725170335890.html
【決算】
Kanzhun、2022年第1四半期決算は、前年同期比44.3％の増収
中国最大級の求人マッチングアプリ「BOSS直聘（BOSS Zhipin）」の運営会社であるKanzhun（看准）は、2022年第1四半期決算（2022年３月31日締め）を発表した。売上高は、前年同期比44.3％増の11億3790万元（1億7950万ドル）となった。売上高の内訳は、ネット求人サービスが同44.1%増の11億2730万元（1億7780万ドル）、その他サービス（主に求職者向けの付加価値サービス）が同65.6％増の1060万元（170万ドル）だった。
平均月間アクティブユーザー数（アプリに1回以上ログインした求職者と法人ユーザー）は2520万人だった。また、過去12カ月に有料のネット求人サービスを利用した法人ユーザー数は、前年比41.4％増の410万人となった。（6月24日Globe Newswire）
Airtasker、2022年第4四半期決算は、前年同期比30.6%の増収
家の掃除、家具の組み立てや運搬、引っ越しの手伝い、デザインやマーケティングなどの仕事を受発注するオーストラリアのギグエコノミーマーケットプレイスのAirtaskerは、2022年第4四半期決算を発表した。売上高は、前年同期比30.6%増の900万豪ドルとなった。グロスマーケットプレイスボリューム（GMV）は、同38.3％増の5440万豪ドルだった。海外GMVも112％以上増加した。特に英国では、需給ともに倍増し、GMVは前年比104％増となった。2021年にサービス提供を開始し、まだ「ゼロイチ」フェーズにある米国では、仕事の掲載件数が前四半期から49％増加した。（7月28日Airtasker）
https://company-announcements.afr.com/asx/art/235d0296-0dfb-11ed-9111-86e4d1347fb0.pdf
【調査】
Glassdoor、LGBTQ+の従業員による評価が高い企業10社を発表
企業口コミサイトのGlassdoorは、LGBTQ+の従業員による評価が高い企業10社を発表した。結果は、2021年4月25日～2022年4月24日にフルタイムおよびパートタイムのLGBTQ+の従業員が投稿した20万9112件の評価にもとづく。
「The LGBTQ+ Employee Experience」によると、LGBTQ+の従業員の全体的な会社への評価は5点満点中平均3.62点で、非LGBTQ+の従業員（5点満点中3.85点）による評価を6%下回る。
評価が高い業界は、不動産、IT、法律、建設、エネルギーなどで、評価が低い業界は、小売・卸売、フードサービス、パーソナルコンシューマーサービス（フィットネス、マッサージ、動物病院など）、ヘルスケア、製造であった。
LGBTQ+の従業員の評価が高い企業10社
| 順位 | 企業名 | LGBTQ+の従業員の評価（点） |
| 1位 | 4.38 | |
| 2位 | Microsoft | 4.35 |
| 3位 | H-E-B | 4.28 |
| 4位 | Lululemon | 4.27 |
| 5位 | Deloitte | 4.17 |
| 6位 | Bath & Body Works | 4.14 |
| 7位 | Progressive | 4.07 |
| 8位 | IBM | 4.00 |
| 9位 | The Walt Disney Company | 3.93 |
| 10位 | Apple | 3.91 |
【資金調達】
Personioが、Greenoaksなどから2億ドルを資金調達。企業評価額は85億ドルに達した。資金は、顧客基盤の拡大や、業務自動化ツール「People Workflow Automation」のさらなる開発に充てる。ドイツの中小企業向けSaaS人事管理ソフトウエアのPersonioは、採用（応募者追跡、面接スケジュール、選考）、給与計算、人事管理（全従業員データと文書の管理、勤怠、有休申請管理など）、育成などの人事ツールを提供する。サードパーティ製アプリとのシステム連携を進めており、現在100種類に対応する。Personioは、従業員数10〜2000人の企業をターゲットとし、Spendesk、ABOUT YOU、Engel & Völkers、Viva Con Agua、Diana Awardなど、6000以上の企業やNGO、公共団体が利用している。
https://www.personio.com/blog/personio-raises-200m-second-series-e/
Fountainが、ソフトバンクやB Capital Groupなどから1億ドルを資金調達。資金は、欧州やアジアなど海外事業の拡大と、プラットフォームの機能拡張などに充てる。時給制労働者の人材発掘、選考、面接の日程調整、バックグラウンドチェック、オンボーディングなどの業務を自動化する採用プラットフォームのFountainは、これまでに6800万件以上の応募を処理し、世界75カ国以上で920万人以上の雇用を支援してきた。Sweetgreen、Stitch Fix、Just Eat Takeawayといった企業が利用している。
Gloatが、米元副大統領のアル・ゴア氏が率いるGeneration Investment ManagementやAccelなどから9000万ドルを資金調達。Gloatは、AIで従業員のスキルを分析し、社内のギグやフルタイムのポジションなどをマッチングするタレントマーケットプレイスで、企業は社内から適切な人材を発掘し、従業員に新たなキャリア形成の機会を提供する。
TestGorillaが、Atomicoなどから7000万ドルを資金調達。資金は、より多くのATS（応募者追跡システム）とのシステム連携や、中規模企業向け機能の拡充に充てる。オランダのスキルアセスメントプラットフォームのTestGorillaは、受験時間10～30分の短いテストで、履歴書ではわかりにくい候補者のソフトスキル（コミュニケーション力、細部への注意力など）、職務に関連する特定のスキル（プログラミング言語や経理プログラムなど）、モチベーション、性格、言語能力、認知能力などを測る。テストライブラリーには220種類以上のテストを有する。2020年の開設以降、Sony、PepsiCo、Bain & Company、Revolut、Oracle、H&M、英国国民保健サービスなど5000社以上の企業や組織が利用している。
Shebao Chinaが、Enlight Growth Partnersやクラシファイド広告サイトの58.comなどから、2億7000万元（4030万ドル）を資金調達。資金は、新しい研究開発センターの建設に充てる。中国のHRテック企業のShebao Chinaは、民間企業や公共機関に採用やバックグラウンドチェック、研修、法務などのソリューションを提供している。また、クラウドネイティブ技術への投資を強化する取り組みの一環として、Yunsheng Group（云生集团）に社名を変更した。
https://www.dealstreetasia.com/stories/china-digest-therorna-yunsheng-298268
Sidekickerが、Seek Investmentsから2000万豪ドルを資金調達。資金は、学業に合わせて柔軟に働ける仕事を探す大学生、再就職を希望する子どもをもつ親、国際ビザ保持者など、あらゆる人の仕事探しの支援を強化し、オーストラリアやニュージーランドでのさらなる事業拡大に充てる。オーストラリアのオンラインスタッフィングプラットフォームのSidekickerは、登録審査と面接を通過した臨時労働者やカジュアルワーカーと、接客やイベント、介護、倉庫、小売、事務などの仕事をマッチングする。登録者数は1万2000人を超え、Uber、Airbnb、Crown、AusPostなどが利用している。
TEXT＝杉田真樹
