Introduction 「広げる×深める」で、キャリアを考える(2)

2019年05月08日

Introduction 2

そんなワークをしてもらう調査を実施。
キャリア曲線が、全部で1200枚集まりました。

マルチサイクル型のキャリアは、すでに始まっています。平成の間に、きっと多くの人が「広げる」と「深める」を繰り返し、サイクルシフトを重ねているはずです。では、その実態はどうなっているのか。調べてみました。平成時代に10年以上働いてきた35歳から64歳までの方々に、キャリア曲線を描いてもらいました。キャリア曲線は、一本の線で描いてもらいました。働きはじめてから、現在までの仕事状況を思い返して、 時期ごとの「広げる」「深める」の度合いや、その変化を、線の位置や曲がり方で表してもらいました。仕事をしていなかった期間は、線を記入しないようにお願いしました。

キャリア曲線の記入を終えたら、その曲線を、いくつかのステージに分けてもらいました。キャリア曲線の動きは、「異動」「昇進・昇格」「離職・転職」「結婚・出産」といった節目の出来事、「大切な人との出会い」「思い出に残る仕事」といった経験などによって、そのひとのキャリアのステージが、何段階かにわたって変化してきたことを浮かび上がらせています。そのような変化のタイミングを意識して、3~7程度をめどにいくつかのステージに区分してもらいました。ステージ数の上限は10としました。

転機についても尋ねました。「これまでの自身のキャリアの中で、仕事の状況やプライベートな出来事などにより、仕事に向かう姿勢が大きく変わった、という転機はありますか」と尋ね、ある人には、その転機の位置を記入してもらいました。転機の時期は、ある出来事があった一時点でも、一定期間でもいいものとしました。また、転機の位置がいずれかのステージと同じ時期になっても、ステージをまたがるようになっても、働いていない時期に重なっても構わないものとしました。

text:豊田義博
「マルチサイクル・デザインの時代」レポートPDF版