ビデオ面接
動画やオンラインで面接をサポート
ビデオ面接は動画を使って遠隔面接を行うサービスで、録画、ライブの2種類がある。録画面接では、企業が専用サイトに予め登録した質問に、応募者が回答する様子をウェブカメラや携帯電話で録画する。人事や採用部署の担当者らがそれを見て面接評価を共有する。自社のオフィスで対面面接する応募者を事前に絞り込めるため、面接交通費などの経費や時間を削減できる。リアルタイムで行うライブ面接も可能である。
一部の企業は、Skypeのような無料の通話サービスを使い遠隔面接する。しかしビデオ面接に特化したプラットフォームには、無料サービスにはない下記の利点がある。
①応募者は質問に対する回答を事前に熟考できる。
②企業は提出された動画を簡単に管理し、採用プロセスを管理するツールに組み込める。
③企業は応募者にSkypeよりもプロフェッショナルなイメージを与えられる。
人事との関連性
採用プロセスにおいては、何度も面接する機会を設けるケースも多い。ビデオ面接は、そのプロセスの一部を補うことができる。企業の人事担当者や求職者双方にとって効率かつ効果的な手法である。事前に質問を提示、時間調整、場所の確保、移動コストの節減などが可能である。また、複数の面接担当者が評価コメントを共有することで、客観的評価ができる。
サービス例
- Montage:大企業、医療業界などが利用するビデオ面接
大企業、医療系の組織、RPO(採用代行業者)向けのビデオ面接プラットフォーム。ビデオのほかに、電話による面接も可能。OutlookやGmailなど主要サービスと同期できる。 - GreenJobInterview:アプリでも使えるビデオ面接
ビデオ面接とオンデマンド面接、応募者のレジュメ、カバーレター、推薦者、プロフィルなどへのリンク、スケジュール管理と面接後のプロセス管理が可能で、質問サンプルも豊富である。スマートフォンを利用できる面接アプリも提供している。1回の面接に最大16名参加できる。評価入力の人数は無制限。大手企業の多くが利用している。
ビジネスモデル(課金形態)
企業・リクルーターがソフトウエアの使用料金を事業者に支払う
企業の採用担当者やスタッフィング会社のリクルーターが利用する。料金は面接回数に応じて算出された使用料を支払う。
今後の展望
新しい分野だが、比較的シンプルなサービスのため市場の成熟度は高い。ビデオ面接を利用することで、面接担当者の労働時間と経費の削減などコストメリットに繋がることから、今後の展望は明るい。現在、ビデオ面接を利用している企業は少数だが、テクノロジーを使うことに違和感がないミレニアル世代(1980年代~2000年代前半に生まれた世代)とともに社会に浸透するだろう。
グローバルセンター
村田弘美(センター長)
鴨志田ひかり(客員研究員)
HRテクノロジーマップ
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2017年05月19日(一部改訂)