【製品解説】オンボーディング領域

2020年01月15日

本コラムで取り上げたHRテクノロジー製品の中から、ここでは採用ステージ4段階のうち、【4】オンボーディング領域で利用されている6製品について解説する。

<アルファベット順>
Click Boarding ・Connect the Dots ・Enboarder ・IBM Kenexa Onboard ・iCIMS Preboard ・PeopleSoft

Click Boarding

入社手続きに必要な公的機関への提出書類をペーパーレス化し、就業初日までに行う必要のあるタスクをステップ別に分かりやすく示すオンボーディング促進システム。会社について知っておくべき情報、書類の電子署名、CEOによる歓迎ビデオ、チームメンバーの紹介、服装やオフィスマップなど初日の準備に役立つ情報を新入社員に提供し、人材の定着を促進する。人事は管理画面で各社員による書類提出やPC支給といった手続きの進捗を一目で確認できる。

Connect the Dots

社名は「Connect the Dots Consulting」。リーダー人材のオンボーディング支援やコーチングによるリーダーシップ開発のソリューションを提供。ウェブベースのオンボーディング促進ツール「building connections」は、タスクを管理するチェックリスト、会議のアジェンダ、社内サイトのリンク、LMS(学習管理システム)のリンクといった新入社員に役立つ情報をまとめ、期日が迫っているタスクについてリマインダーを送る。

Enboarder

新規採用者と関係を構築し、エンゲージメント向上を促進するビジュアルオートメーションソフトウェア。ホワイトボードにタスクを書き出すように、ドラッグ&ドロップでタスクを簡単に整理することができる。新入社員のバディとなる先輩社員に自分自身やチームメンバーを紹介するビデオ録画の依頼を送信したり、ビデオを録画する機能、新入社員研修の進捗確認といった機能を備える。オリエンテーションや研修や会社全体についての従業員の満足度などのフィードバックも回収できる。マネジャーに満足度が低いメンバーとの面談を促したり、入社1周年の記念日を迎える部下についてのリマインドを自動表示し、その部下とのランチを勧めるといったナッジ機能もある。データやフィードバックの収集に注力し、適切なアクションをユーザーに起こさせることに重きをおいている。本社はオーストラリアのシドニー。

IBM Kenexa Onboard

新規採用者の入社手続きをペーパーレス化することで、入力ミスや手間を減らし、コンプライアンスを強化するオンボーディング促進システム。「Form I-9」(就労資格証明書)を電子申請すると、米国での就労資格を確認する国土安全保障省のオンラインシステム「E-Verify」に情報が自動提出され、同省および社会保障省のデータと照合できる。不法就労者の雇用や書類不備による罰金のリスクを軽減できる。新入社員はマイページでタスクの期日を確認し、進捗を管理できる。同僚や先輩社員と交流するSNS機能もある。

iCIMS Preboard

入社時に必要なタスクを管理する新規採用者やマネジャー向けのタスク管理プラットフォーム。「Form I-9」(就労資格証明書)、給与振込依頼書、源泉徴収票、競業避止契約書、機密保持契約書、標準PCの申請書、社内駐車場の利用申請書、薬物検査の同意書といったさまざまな書類の入力、署名、提出をペーパーレスで行える。新規採用者にタスクをワンクリックで依頼し、進捗を確認できる。新規採用者向けのポータルサイトに歓迎メッセージや動画などを追加し、カスタマイズできる。

PeopleSoft

採用、労務、人事、財務、調達・サプライヤーなどの管理システムを大手企業向けに販売するソフトウェア企業。同社の人事管理システム「PeopleSoft Human Capital Management」に搭載されているオンボーディング機能は、「Form I-9」(就労資格証明書)の入力、就業規則ハンドブックのダウンロード、守秘義務契約や競業避止契約などの書類への署名、給与振込先口座の入力など、入社の際に必要な手続きをステップごとに示す。従業員はすべての手続きを1つのシステムで完了できる。人事担当者は、提出の有無などの進捗を一目で確認でき、手続きが終わっていない従業員にリマインダーを送信できる。2005年にOracleに買収された。

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