ジョブマーケティング&ディストリビューション
複数の求人サイトに求人情報を一括掲載
企業が求人情報をジョブボード(求人サイト)に掲載したいとき、多くの選択肢の中から、その求人の内容に最も相応しいジョブボードを選ぶ。メガジョブサイト、専門職向けのニッチなサイト、地域に密着したサイトなど、北米だけでも数百の求人サイトがあり、どのジョブボードを利用したら効果があるのか、その選択は難しい。
ジョブマーケティング&ディストリビューションは、複数のジョブボードやSNSに求人情報を一括して掲載することができる。企業やリクルーターは、数あるジョブボードから適切なサイトを複数選んで掲載する作業を軽減できる。どのサイトから優秀な応募者が多いのか、応募経路を測定し、費用対効果の高いサイトを特定する機能も備えている。なかには、上記に加えて、オファーレターの作成から事務手続き、アセスメント、身元照会、採用プロセスの管理など一連のサービスと接続するサービスを提供する事業者もある。
人事との関連性
採用候補者を十分に確保できない場合、複数のジョブボードに求人情報を掲載することが多いが、各ジョブボードはその特性が異なる、また新しいジョブボードも多いため、適切な選択をするのは難しい。ジョブマーケティング&ディストリビューションのサービスを利用することで、現時点で最適なジョブボードを選択でき、時間と手間を省くことができる。また、自社の採用経路の分析をすることができる。
サービス例
- Jobtarget:求人を掲載するメディア選びをサポート
多くのジョブボード、SNS、ブログに求人広告を自動掲載できる。求人広告や候補者をトラッキングすることで、どのメディアに求人広告を掲載すべきか、候補者探しに何が最も効果的かを解析することもできる。 - Recruitics:業界唯一の採用マーケティング分析と広告掲載を自動調整する
サイトの閲覧者、閲覧した求人広告、広告への経路、応募、応募までのコストなどをトラッキングして収集したデータを分析し、採用プロセスにかかった費用をリアルタイムでレポートする。多くのサイトとパートナー契約を結び、顧客企業の目標に合わせたマーケティング・メトリックや募集要項のルールを設定してトラッキングで集めたデータを分析・評価し、広告の掲載を逐次自動調整することができる。
ビジネスモデル(課金形態)
- 企業が求人メディアに求人情報を一斉掲載する利用料をサービス事業者に支払う
数百ものジョブボードなどから適切な求人メディアを選択し、求人情報を掲載する。ソフトウエアは通常SaaSとして提供、料金は広告件数で課金される。1~2件なら無料のサイトもある。 - 企業がレジュメデータベースへのアクセス料金を事業者に支払う
複数のジョブボードに登録されているレジュメを同時に検索できる。独自のレジュメデータベースを作って企業からアクセス料金を徴収する。
今後の展望
成熟した市場であるが、産業の変化に対応しなければならないため、事業者は絶えず進化し続ける必要がある。システムの利用によって人事の事務作業を軽減させるだけでなく、さらに分析能力を高め、知能を向上させることで、求人条件を満たす求職者にどのようなアプローチが最適なのか、その方法の提案ができるようになれば、サービスの存在価値はさらに高まる。
グローバルセンター
村田弘美(センター長)
鴨志田ひかり(客員研究員)
HRテクノロジーマップ
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