LinkedIn、プロフィールにブランク期間を記載する「Career Breaks」機能を発表、ほか
海外HR Techニュースリリースまとめ(2022年3月)
LinkedInは、プロフィールの職歴にブランク期間を記載する機能を発表した。採用担当者の中にはブランク期間のある人材の採用をためらう人もいる。LinkedInは、同機能の導入により、求職者と採用担当者の間でオープンな対話が生まれることを期待している。
また、大手企業によるロシアでの事業の停止や中断の動きが広がるなか、フリーランサーマーケットプレイスのUpworkとFiverrが同国での事業の停止を発表した。
M&Aでは、ブルーカラー向けSNSおよび求人サイトを運営するJobcaseが、採用マーケティングプラットフォームのRecruitologyを買収した。
資金調達では、求人検索エンジンのTalent.comが投資会社から1億2000万ドルの出資を受けた。また、技術面接プラットフォームのFilteredも、1000万ドルを資金調達した。
【新サービス・新機能】
CareerBuilder、最適なキャリア選択をサポートする「CoLab」機能を発表
求人求職サイトのCareerBuilderは、求職者のキャリア選択に役立つ情報をまとめた「CoLab」機能を発表した。求職者は、職種や都市名をもとに、仕事内容、求められるスキル、求人情報、採用中の企業名、給与相場、関連する周辺職種、履歴書のサンプルなどを検索できる。自身に適した仕事についての求職者の理解を促進し、採用のミスマッチを防ぐ。(3月14日 PRNewswire)
https://press.careerbuilder.com/2022-03-14-CareerBuilder-Launches-CoLab,-A-Transparent-Resource-for-Job-Seekers
LinkedIn、プロフィールにブランク期間を記載する「Career Breaks」機能を発表
LinkedInは、プロフィールの職歴欄にブランク期間を記載する「Career Breaks」機能を発表した。子育て、介護、ギャップイヤー、レイオフ、ボランティア、引退、健康やウェルビーイング、旅行、移転など、さまざまな選択肢のなかからブランク期間の種類を選び、期間中に身につけたスキルや経験などについての説明を入力する。
同社が約2万3000人の従業員と4000人以上の企業の採用担当者を対象に行った調査によると、従業員の62%が休職した経験があり、また35%が将来的に休職を希望している。
パンデミック下で、多くの人が退職を余儀なくされたり、プライベートを優先して自主退職している。また、過去1年間に世界中で5400万人の女性が離職した。(3月1日 LinkedIn Talent Blog)
https://www.linkedin.com/business/talent/blog/product-tips/linkedin-members-spotlight-career-breaks-on-profiles?_l=en_US&src=or-search&veh=www.google.com
Instawork、カナダにサービス提供を拡大
飲食、小売、倉庫、物流などの時給制求人検索アプリのInstaworkは、米国の25都市にサービスを展開していたが、トロントとバンクーバーでもサービスの提供を開始した。今回が初めての国外進出となる。トロントでのアプリのダウンロード件数は既に1万件を超える。掲載求人の平均時給は19.50ドルである。求職者はアプリでプロフィールを登録すると、最短で24時間以内に仕事に就くことができる。(3月21日 PR Newswire)
https://www.prnewswire.com/news-releases/instawork-announces-international-expansion-of-flexible-staffing-platform-301505976.html
【M&A】
Jobcase、Recruitologyを買収
ブルーカラー向けSNSおよび求人サイトを運営するJobcaseは、採用マーケティングプラットフォームのRecruitologyを買収した。求職者と企業のマッチング機能を強化する。Recruitology は、ジョブボード向けソフトウェア、プログラマティック求人広告、AI によるATS(応募者追跡システム)の機能を組み合わせ、適材の発掘を支援する。Jobcaseは2015年に設立され、登録者数は1億3000万人を超える。2021年にジョブマッチングプラットフォームのUpward.netを買収した。(3月3日 PRNewswire)
https://www.prnewswire.com/news-releases/jobcase-bolsters-recruitment-ecosystem-with-acquisition-of-recruitology-301493938.html
【決算】
ZipRecruiter、2021年第4四半期は、前年同期比93%の増収
AIで求職者と求人情報をマッチングするマーケットプレイスのZipRecruiterは、2021年第4四半期および通年決算を発表した。第4四半期の売上高は前年同期比93%増の2億2000万ドルで、純利益は2100万ドルと2四半期連続の黒字となった。顧客数は同64%増の14万7081社、また顧客単価は同17%増の1497ドルであった。通年の売上高は、前年比73%増の7億4100万ドルとなった。(3月2日 AIM Group)
https://aimgroup.com/2022/03/02/ziprecruiter-q4-2021-labor-shortage-drives-up-revenue-and-profits/
【マーケット】
Upwork、ロシアとベラルーシでの事業を一時停止
Upworkは、5月1日に、ロシアとベラルーシでの事業を一時停止すると発表した。新規アカウントの開設、新規契約、検索結果での自身のプロフィール表示ができなくなる。また、仕事の依頼や寄付など、ウクライナ在住のフリーランサーの支援を促進する専用サイトを開設した。(3月7日 Upwork)
https://www.upwork.com/blog/a-letter-from-our-ceo-march-2022
Fiverr、ロシアでの事業を一時停止
5ドルからフリーランサーに仕事を依頼できるプラットフォームのFiverrは、ロシアでの事業を一時停止した。新規アカウントの開設や、新規契約を行うことができない。ロシア在住のフリーランサーによる報酬の出金は可能である。また、ウクライナ在住のフリーランサーへの仕事の依頼を促進する専用サイトを開設した。さらに過去数週間にウクライナのフリーランサーから得た手数料を返却する。(3月9日 Fiverr)
https://blog.fiverr.com/post/fiverr-suspends-business-in-russia
【資金調達】
Talent.comが、ケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)やInovia Capitalなどから1億2000万ドルを資金調達。資金は、求人検索エンジンの機能強化や、中小企業向け新商品やサービスの開発などに充てる。カナダの求人検索エンジンのTalent.com(旧Neuvoo)は、クリック課金型のプログラマティック求人広告などの機能を備える。78カ国でサービスを提供し、29カ国語に対応する。求人掲載件数は3000万件を超える。
Filteredが、AI FundやSilicon Valley Data Capitalなどから1000万ドルを資金調達。技術面接プラットフォームのFilteredは、AI、データサイエンス、コンピュータサイエンス、フルスタック開発、ブロックチェーン、DevOpsの分野の人材の採用を支援する。面接やテクニカルスキルの評価の自動化機能により、企業は、候補者が業務、チーム、会社に適しているかどうかを数分で評価できる。顧客企業は、Cigna、Enterprise Holdings、The Federal Reserve Bankなど、フォーチュン500企業である。
Zenjobが、AragonやActon Capitalなどから5000万ドルを資金調達。資金は、欧州事業の拡大や自動化機能の追加などに充てる。ドイツのアルバイト検索アプリのZenjobは、物流、eコマース、小売、サービス業などの企業約2500社の求人を掲載する。利用者は毎月約4万人。
https://www.finsmes.com/2022/02/zenjob-raises-50m-in-growth-funding.html
TEXT=杉田真樹