分析5 ファーストキャリアに着眼してみた(1)

2019年07月11日

分析⑤-1

ファーストキャリアに着眼してみた

あなたの仕事人生はどこでどのように始まったでしょうか。大きな会社?小さな会社?営業?事務?楽しい仕事?つらい仕事?最初の上司はどんな人? 最初の仕事は、その人のキャリアに大きな影響を与えるといわれています。日本でも、それを意識した仕組みや文化があります。「新卒一括採用」はそのひとつ。学校を卒業したばかりの学生を企業がまとめて採用してくれます。この仕組みを背景にして「生え抜き」文化が根付き、最初に入る会社を重要視する文化があります。「新卒カード」という、最初に入る会社の重要性を語る言葉も広く知られています。しかし、仕事人生の最初の仕事の何が重要で、何がその後のキャリアに影響するのかは明らかになっているとは言い切れません。

いま就職活動中の学生からは、「企業規模」や「仕事の内容」「一緒に働く人」などのポイントが最初の会社を選ぶ決め手として挙げられます。こうしたポイントは、100年ライフのキャリアを自律的にデザインしていくことが求められるこれからの時代に、本当に重要なポイントなのでしょうか。

今回の調査では、回答者のキャリアのステージごとに詳細な回答を頂いています。仕事人生の最初の第一歩にあたるステージ①の回答は、その個人のファーストキャリアにあたる部分についての情報です。このステージ①の情報や、回答者の初職に関するデータを分析することで、日本のこれまでの就業社会におけるファーストキャリアの意味をじっくりと考えてみたいと思います。
5-1.pngtext:古屋星斗
「マルチサイクル・デザインの時代」レポートPDF版