サイコメトリックアセスメント

心理や性格特性を測定

2017年05月12日

Psychometric Assessment
代表的なサービス

サイコメトリックアセスメントは、統計学的な解析法を用いて、求職者や従業員の仕事上のパフォーマンスに関わる性格特性を明らかにするサービスである。

最も多いのはオンラインを利用した質問票のアセスメントであるが、最近では、求職者や従業員の注意力ややる気といった特性をゲームの回答から測定したり、インバスケットのように業務上の状況を再現したシミュレーションで求職者の対応能力をはかるものもある。

人事との関連性

採用プロセスの1つとして心理測定アセスメントを利用する企業は多く、社風や企業文化、職場、仕事内容との適合性を見るのに役立つシステムである。レジュメや短時間の面接だけで入社後のパフォーマンスを予測するのは難しい。チーム編成の参考指標にもなる。優秀な候補者を見つけ出す能力においては、人間よりもアセスメントのほうが客観性があり正確なこともある。採用の最終判断は人間が行うとしても、アセスメントも1つの結果として一層重視されると思われる。

サービス例

  1. Persona-labs:ゲーム形式の性格アセスメント
    職場で高い成果を出せる人物かどうかを測定するための質問を、RPG形式で提供する。求職者がゲームをクリアしていくことで、創造性やコミュニケーションスキルといった能力を測定できる。求職者はゲームに集中するため、どの答えが最も好印象を与えるかを考える余裕がなく、正直な答えが得られる。
  2. Pymetrics:ビッグデータと機械学習を適用したゲーム形式の性格アセスメント
    学生やキャリアセンターを主な対象とするサービス。求職者がゲーム感覚で12種類のテストを受けると、ソフトウェアが神経科学ベースで結果を分析する。自身の特徴的な性格や向いているキャリアがわかる。また、求職者の特性と高くマッチする企業が表示される。興味のある企業をクリックすると、求人が発生した時にその企業から連絡が来る可能性がある。
  3. GOOD&CO:スマホでできるクイズ形式の性格アセスメント
    求職者はスマホにアプリをダウンロードして、2択のクイズに答えていく。アプリはアセスメント結果をもとにキャリア構築についてアドバイスを提供し、求職者の性格にマッチする企業を提案する。

ビジネスモデル(課金形態)

  1. 企業がアセスメントの利用料をサービス事業者に支払う
    求職者が求人へ応募すると、企業が選考のプロセスとして、アセスメント受検を依頼する。企業は、アセスメントを受検する求職者の人数分の利用料金を支払う。多数が利用した時はディスカウントになることがある。金額設定は、アセスメント利用料のみの場合と、専門家による解説を含む場合がある。別料金でカスタマイズ可能。

  2. 求職者がアセスメント料金をサービス事業者に支払う
    求職活動に活かすために求職者が自ら受検する場合は、求職者自身がアセスメント料金をサービス事業者に支払う。

今後の展望

成熟度の高い市場で、サイコメトリックアセスメントの利用企業は多い。業界の問題として、ほとんどの事業者が科学に基づいていると謳っているが、信頼性に欠けることがある。この領域は、何千もの小規模な会社と、定着した会社とが混在する。神経科学の進歩により、常時イノベーションが起きている。
アセスメントによって候補者の将来性を予測する能力はすでに証明されており、将来の見通しは明るい。ただし、既存の質問票が進化して、新たなシミュレーションやゲーム、また新たなテクノロジーが現れるかもしれない。

グローバルセンター
村田弘美(センター長)
鴨志田ひかり(客員研究員)
石川ルチア

HRテクノロジーマップ

※クリックすると拡大出所:TTL "Talent Acquisition Technology Ecosystem"を基に再分類し筆者作成(2016.10)

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