本気の健康経営

伊藤忠商事/ ITを活用した意識改革

最新ツール×人の支援で若手の健康意識を揺さぶる

2017年04月10日

2カ月半のプログラム期間は、体重や体脂肪率の変化に加え、記録したこと自体もポイントとして蓄積。獲得ポイント上位者には副賞もある。今後、ウエアラブル活動量計などのツールは、ほかの社員も割安で購入できるようにする。

健康管理アプリ「Re:Body」では個人目標が表示され、日々の健康・運動・食事のデータが一元管理できる。健康診断の記録も閲覧できるほか、健康コラムも配信されている。

左腕に付けられたスタイリッシュなウエアラブル端末。これは、伊藤忠が一定のBMI値以上の若手に配布した活動量計だ。
朝型勤務などの取り組みで知られる同社は、2017年1月から新施策「スタイルアッププログラム」を開始。参加者約100名に上の写真のウエアラブル活動量計、体重・体組成計を無料配布し、スマホアプリで日々の健康管理を行う。体重や歩数は自動でアプリに記録され、食事内容や摂取カロリーも記録できる。参加者は最初に、専任の「ヘルスコーチ」と面談し、食事や運動の目標を決定。期間中は毎週、コーチとオンラインで目標の振り返りをする。
徹底した健康増進への取り組みの背景には同社の経営戦略がある。ほかの商社より社員数が少ないため、一人ひとりがいかに健康で職務に専心できるかは重要課題。40歳以上の肥満度が全国平均を上回っていることなどから、若いうちからの意識づけが重要と判断した。
2018年4月には定員360名の独身寮を新設。健康食の食堂やジムを完備する。「社員の健康は経営課題」というならば、ここまでやる必要があるのだ。

Text=池内由里Photo=峯本宗介