ハラスメント(2020年6月版)

2020年06月26日

「定点観測 日本の働き方」最新値はこちら

リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」において、ハラスメントを見聞きした経験の有無の推移をとると、2018年のハラスメントを見聞きした人の割合は18.4%と前年から急速に上昇した(図1)。これはハラスメント行為自体が増えているというよりも、近年のハラスメントを巡る世の中の感度の高まりが影響しているものと考えられる。

ハラスメントを見聞きした経験は仕事や生活にどのような影響を及ぼすのか。メンタルヘルスとの関係をみると、ハラスメントの経験は、やはりメンタルヘルスに極めて大きな影響を及ぼしている(図2)。仕事の満足度や生活全体の幸福感への影響度合いも大きく、ハラスメントは職場においてのみならず、個人の生活にまで広範な影響を与えていることがわかる。

職場における日常的なハラスメントの発生は、個人の健康を害し、職場全体の仕事の成果に大きな悪影響を与えることにつながる。各個人が健全に生活を営むためにも、企業が従業員の生産性を高め持続的な成長を実現していくためにも、企業はハラスメントの根絶に全力で取り組むべきだ。

図1 ハラスメントを見聞きした人の割合4-5-1.png出典:リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)2016~2019」
注:ハラスメントを見聞きした人の割合は、職場において、「パワハラ・セクハラを受けたという話を見聞きしたことがあった」について、「あてはまる」、「どちらかというとあてはまる」と答えた人の割合の合計。xa16~xa19を用いたウエイト集計を行っている。

図2 ハラスメントとメンタルヘルスなどの関係(2018年)4-5-2.png出典:リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)2019」

文責:坂本貴志(研究員・アナリスト)
※2019年3月時点の本記事はこちら
「定点観測 日本の働き方」一覧へ戻る