研究・開発人材はどう育つのか~社内ベンチャー・スピンアウト人材の才能開花

2013年度の研究所の研究テーマは「才能」。1年を通して「才能」にこだわり、才能の構造を解析、その開花メカニズムに迫りました。

プロジェクトの概要

才能を開花させる

グローバル化の進展、市場の成熟化に伴う既存製品・事業の低迷......。
こうした状況の中で、個人の持つ「才能」への着目が、高まっています。

これまで、多くの日本企業は、突出した個の力に頼るのではなく、各社固有なプロセスシステム、メソッドを精巧に編み出し、それを現場全員の知を結集して高め、市場での地位を築いてきました。そのモデルは、今もさまざまな分野、領域の企業の中で、有期的に動いていますが、変化の激しい市場の中でシステム疲労を起こしています。

そして、そうしたシステムに代わり、随所において個の才能によって新たな製品・事業が生まれつつあります。
イノベーター、グローバルリーダー、タレントなどの呼び名をつけられている人々です。

それは、どのような才能なのか。その才能は、どのように育まれどのようにして花開いたのか。質の高い才能をたくさん開花させるためには、企業のワークシステムは、どのようにあるべきなのか。
人材採用、育成などの仕組みは、どのように整えればいいのか。
初等から高等に至るまでの教育のプロセスは、どのように再生すべきなのか。

リクルートワークス研究所は、2013年度を通して、「才能」にこだわり、才能の構造を解析、その開花メカニズムを科学していきます。多くの方々からのご意見、ご要望を頂ければ幸いです。

プロジェクトの目的

日本の製造業の研究・開発に従事する技術者で、自らのアイデアをもって組織の外へ飛び出し、新事業や新商品の開発に成功した人(=才能を開花させた人)に焦点を当て、その成功要因や背景を明らかにする。一人ひとりが自分や他者の才能を見出して伸ばす社会を築くために、本人や周りができることは何かを提案する。

大手電機メーカー発の社内ベンチャーやスピンオフ、あるいは、近年のメイカーズ革命のような形で起業した人物に対して、キャリアやライフストーリーに関する聞き取り調査を実施し、才能を開花させたプロセスを分析する。
とくに、起業に至るまでの専門家や非専門家からの関与・影響を整理する。あわせて、スピンオフの連鎖、実践コミュニティの有無も構造化する。

プロジェクトリーダー

  • 久米 功一(主任研究員)

プロジェクトメンバー

  • 長山 宗広(駒澤大学教授)