ここは集中特区

仕事で選ぶ、ワークスタイル自由形

2016年06月10日

2014年4月にフリーアドレス化したCBREのオフィスには、「1人で集中」「軽い打ち合わせ」「会話しながら作業」「顧客との商談」など、幅広い仕事に対応した15種類のスペースがある。出社した社員は、その日の作業や気分に合わせて働く場所を選ぶのだ。
集中するときの選択肢も複数ある。「遮音性が高い電話ブース」「窓に面した仕切りブース」「照明でリラックス効果を高めたオープンデスク」など。実際に電話ブースには、電話会議中の人や、音を遮断して集中する人の姿があり、また、仕切りブースには、黙々とPCに向かう人、オープンデスクには、資料を広げて一心に読み込む人というように、それぞれの場所に応じた集中のスタイルがあった。こうした設計は、「自律した個人をつくり、コラボレーションを促進して生産性を高める」という企業方針に基づいている。仕事に応じて場所を選ぶには、自分が今日すべきことを完全に理解していることが前提だ。日々の場所選択は、自律した個人になるためのトレーニングでもある。各スペースは、社員の声や独自調査をもとに設計され、移行前には、働き方について十分な教育が行われた。約8割の社員が「生産性向上を実感した」というのも納得である。

Text=池内由里Photo=峯本宗介

CBRE(シービーアールイー)

■事業内容/事業用不動産サービス■本社所在地/東京都千代田区(東京本社)■従業員数/約1000人(2016年3月現在)