ここは集中特区
開放的な没頭というパラドクス
エントランスを入ると、沖縄から取り寄せたサンゴの砂浜、そして3DCGを投影したバーチャルな海がある。ここは「オーシャン」。オープンスペースにもかかわらず、テーブルに1人座った社員は皆、ひたすら仕事に没頭している。もともとは社員の憩いの場として設計されたというが、社員は「集中する場」として利用することが多い。
そのからくりはこうだ。ビズリーチで重視するのはチームワーク。そのため、執務室ではコミュニケーションが必須だ。デスクに座っているときは気軽に声を掛け合い、また、「オフィスは情報の宝庫なのだから周囲での会話に常にアンテナを張っているように」と言われている。
では、集中したいときは?そのときこそ、「オーシャン」に向かう。ここでは「つながる」ことから解放されるからだ。まず、執務室とフロアが異なる。そして、天井の4か所に設置したスピーカーから大きめの音量で波の音が流れている。たとえ隣のテーブルで打ち合わせをしていても、話し声は波の音にかき消され、「言葉」が仕事を妨げない。ここで集中して仕事をした成果を、執務室に持ち帰ってコラボ。そんなループが同社の躍進を支えている。
Text=池内由里 Photo=峯本宗介
ビズリーチ
■ 事業内容/インターネットを活用したサービス事業 ■本社所在地/東京都渋谷区 ■従業員数/560人(2015年9月現在)