新卒採用の選考開始時期を巡る企業の認識 ~「企業の採用動向と採用見通し調査」より~
新卒採用活動の開始時期についての議論が再び湧き起っています。学生の就職活動期間を短くすること、学業に専念できる環境を作り出すことなどを目的に、2016年卒の新卒採用の選考活動解禁時期は4月から8月へと変更されましたが、その弊害が大きかったという声が多数を占めていることによるものです。
では、その実態はどうなのでしょうか。リクルートワークス研究所が毎年実施している「企業の採用動向と採用見通し調査」(調査時期2015年10月2日~11月2日 2016年卒の大学生・大学院生の新卒採用を実施した企業3,634社を対象)によると、内定辞退者の比率が前年に比べて「上がった」と回答した企業は45.1%と、「下がった」(10.5%)を大きく上回っています。また、前年2015年卒と比べて、採用効率が「下がった」と認識している企業は59.4%と半数以上にのぼっています。選考開始時期の変更に対応できず、採用活動に苦労している企業が多数を占めるという状況が見て取れます。
選考活動開始時期に関する意向においては、 「現行ルール(卒業年度の8月1日選考開始)が良い」 という回答は5.6%にとどまりました。現行の8月解禁ルールを支持しない理由として、「他社の動向に左右されるから」という回答が69.2%、「学生の負担が重くなるから」という回答が62.3%を占めています。現行ルールは、企業側にも学生側にも問題が大きすぎる、という認識が明確に表れる結果となりました。
データの詳細は、以下のレポートをご覧ください。