テレワーク(2020年11月版)
国土交通省「テレワーク人口実態調査」によると、2019年の雇用者に占めるテレワーク制度等に基づく雇用型テレワーカー(※)の割合は9.8%であり、前年と比較して1.0%pt減少した(図1)。政府目標(※)を踏まえると、急激な増加が求められる。
リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」を使って、テレワーク制度を導入している企業に勤めている人の割合を従業員規模別にみてみると、5000人以上の企業が25.2%と最も高く、100人未満の企業が5.4%と最も低い(図2)。次に制度導入企業でかつ自分が制度の対象者となっている人の割合をみると、依然として5000人以上の企業が10.9%で最も高く、100人以上1000人未満の企業で3.3%と最も低いが、制度導入企業勤務者の場合と比べると、その差は縮まっている。そして制度対象者でかつテレワークを実際に利用している人の割合でみると、その差はさらに縮小する。大企業はテレワーク制度を導入しているものの、実際に利用できている人は限られている。
仕事の性質別にテレワークをしていた人の割合をみると、「自分で仕事のやり方を決めることができた」人はそうでない人と比較して、テレワークをしている人が7.7%pt高くなっており、テレワーク制度を実際に利用できるかどうかは、職場のマネジメントが大いに関係しそうだ(図3)。
テレワーク制度は導入するだけでは意味がない。雇用者が仕事を自律的に行えるためのマネジメントや、テレワーク制度を気兼ねなく使える職場環境などの整備も推進したい。
※雇用者でありかつ会社の規定などに基づきテレワークをしている人
※政府目標:2020年までにテレワーク制度等に基づく雇用型テレワーカーの割合を15.4%とする
図1 テレワーク制度等に基づく雇用型テレワーカー
図2 テレワーク制度導入企業勤務者、
うち対象者、うち実施者割合(企業規模別、2019年)
図3 テレワークをしていた人の割合(仕事の性質別、2019年)
文責:茂木洋之(研究員・アナリスト)
編集:リクルートワークス研究所
※2020年5月時点の本記事はこちら
※2019年3月時点の本記事はこちら
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