グローバル大手企業人事責任者によるリクルーティングの未来調査(3)
Vol.21 リクルーターの役割の進展
1.リクルーターの役割の変化
VOL.20の調査結果にもあるが、グローバル化やテクノロジーの発展などリクルーターを取り巻く環境は変化している。それに伴って、リクルーターの役割も大きく変化している。特に、メトリクスやブランディング、選考のスペシャリストなど、役割の専門化が進む。そのため、中小企業にとっては、将来的に必要とされる幅広いスキルや知識、経験を備えたリクルーターを抱えるのは難しくなり、採用業務のアウトソーシングの目的が、経費削減から複雑化した業務を管理する手段へと移行することも考えられる。
Q.リクルーターの役割の変化について、以下の4項目をどう考えるか。
A.
1.リクルーターの採用スキルは向上する。
2.リクルーターの職務記述書は変わる。
3.人事アナリストや分析スペシャリスト、リファラルスペシャリスト等、より専門的な職務が必要とされる。
4.これまでにない斬新な採用手法が現れる。
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【回答者コメント】
「優秀な人材を探して、引き付け、採用するという仕事の内容は変わらないが、その手法は大きく変わるだろう」
「リクルーターの役割は変わるだろう。採用、リサーチ、アウトリーチ、管理など、仕事は細分化するだろう。リレーションシップマネージャーであるだけでなく、マーケティング担当者にもなる必要が生じるだろう」
「リクルーターの仕事が変わるかどうかはわからないが、専門化、区分化は今後も続くだろう」
「弊社はすでにリサーチ・コンサルタントという新たな職務を取り入れた」
「2004年に始まったフェースブックは、2011年には8億人の会員を抱えている。今後10年で何が起きるかなんてわからない。だが、採用は人との関わりという点で変わらないだろう。本質的には我々は営業機能であり、取引をまとめるために利用するツールは進化するかもしれないが、営業は営業だ」
2.サードパーティーやアウトソーシングへの考え方
Q.サードパーティーやアウトソーシングについて、以下6項目をどう考えるか。
A.
1.今後10年、エグゼクティブ以外のフルタイム従業員を探すための職業紹介会社の利用が、過去10年と比べて増える。
2.今後10年、エグゼクティブのフルタイム従業員を探すためのサーチ会社の利用は、過去10年と比べて増える。
3.今後10年、パートタイムや契約、労働派遣者を探すための派遣会社の利用は、過去10年と比べて増える。
4.サードパーティーは、今後10年も新たな製品やサービスを開発する。
5.今後10年のアウトソーシング(RPOやHRO)の利用は、過去10年T比べて増える。
6.現在アウトソーシングされている採用プロセスの領域は、今後10年で拡大する。
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【回答者コメント】
「エグゼクティブサーチ以外のサードパーティーの利用は減少すると思う。企業が正社員の採用を控える一方で労働力を必要とするなら、派遣会社はさらに専門化するだろう」
「利用できるツールがたくさんあるので、エージェンシーの重要性は急速に低下しつつあり、今後もこの傾向は続くだろう」
「包括的なアウトソーシングのピークは過ぎた」
「RPOやHROを良いとは思わないが、企業は知識や人材、能力が不足していることから、こういったソリューションを利用するだろう」